ロープアクセスとはロープ高所作業の技術の一つです。
ロープやアンカーなどの装備と機材を使用して、
ロープで身体を支えながら高所作業する仕組みになっています。
日本では2016年に労働安全衛生規則に
ロープ高所作業が定められ、ロープアクセスの注目度が高まっています。
ロープアクセスは欧州でのクライミングやケービング(洞窟探検)で
古くから用いられてきた技術を産業用に応用したものです。
2本のロープと2つのアンカーポイントを使用して、上下左右に自由に移動できるシステムが整えられています。
ロープが切れるなどのトラブルがない限りは墜落のリスクがない安全な装備になっているため、ロープ高所作業でよく用いられるようになっています。
ロープアクセスは狭い、地面がないなどの理由で足場を組めない場所でも作業できるのがメリットです。
狭い家の間で壁の補修をする、海岸の崖の上にある建物の崖側で作業するといったこともできます。
ロープアクセスなら足場の設置コストがかからないので、工事にかかるトータルコストが下がります。
悪意のある人が足場を勝手に使用して隣の家に不法侵入するといったトラブルは足場を設置するとときどき起こります。
リスク回避のために警備員を置く必要もないのでコストがさらに削減されるでしょう。
足場を設置しないことで作業をすぐに始められます。足場の設置には許可申請をした後、一日以上かけて足場を組み立てることが必要です。
作業が終了したら足場を撤去するのにまた時間がかかります。ロープアクセスなら足場の設置や解体が不要なので、速やかに施工を終えることができます。
レスキュー隊で用いる高度なロープ技術で、国が認めた安全に対象の箇所へ接近・接触する技術です。その機動力を活かし高層建物の点検・調査・補修が可能となります。
この技術は高い安全性を備えております。一人の技術者に対し必ず異なる支点より1本ずつ(計2本のロープ)を垂らし、1本をメインロープもう1本をバックアップロープとして技術者の身体を保持しながら2名以上の技術者でチーム編成し作業を行います。こちらはレスキュー部隊と同様の技術です。
この数字は高所作業や総合ビルメンテナンスにおける
工事全体の中で足場工事が占める費用の割合として出されている数字です。
簡単に例を挙げるとしたら、1000万円の工事で250万円足場工事に掛かる計算になります。
その工事をロープアクセスで行えた場合、足場工事の費用を大幅に削減することが可能になります。
ロープアクセスを使用することで、設置や撤去の手間を省き、
迅速かつ効率的に作業を進めることができます。
この手法は、特に高層ビルや狭小な場所での作業において効果的であり、安全性も確保されています。
また、作業の柔軟性が高まるため、予期しない問題にも迅速に対応できるという利点があります。
結果として、全体の工事費用を抑えながら、質の高いサービスを提供することが可能となります。